Cover Flowとは?

Cover FlowとはiTunesやFinder、他のApple製品に組み込まれているアニメーションする3次元グラフィカルユーザインタフェースでドキュメントのスナップショット、ウェブサイトのブックマーク、アルバムジャケット、写真を視覚的にめくる形式になっている。

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Cover Flowは、2006年にリリースされた『iTunes7』で初めて採用され、その後iPhoneやOS Xの『Finder』などにも搭載されていきました。Macを使ったことがない人でも、『iTunes』を使ったことがあれば必ず目にしているはずです。

Apple製品からCover Flowが次々と廃止されていく…

2010年の時点でCover Flowが採用されているApple製品は、

  • iPhone(iOS)
  • iPod nano
  • iPod classic
  • Finder
  • iTunes
  • Safari

これら6つです。

しかし執筆時(2013年9月)時点で、Cover Flowが採用されているApple製品をあげると、

  • iPod classic
  • Finder
  • (Safari)

の3つ。

『iPod classic』はもう何年も放置されている状態なので、“Cover Flowが採用されている”というよりも、“忘れられている”と表現した方が良いかもしれません。

ジャガアポー

Cover Flow廃止製品からみる、OS Xのデザインの変化

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まずiPhoneやiPod touchに搭載されている『iOS』ですが、従来の『iOS6』までは、“ミュージック”アプリ起動中に本体を横向きにすると、本体内に保存されているアルバムがフルスクリーンのCover Flow表示になりました。

しかし、つい先日リリースされた『iOS7』では、“ミュージック”アプリ起動中に本体を横向きにしてもCover Flow表示にはなりません。『iOS7』では、Cover Flowではなく、単なるタイル表示になりました。

シナモン

そもそも最初に、意図的にCover Flowが排除された製品は『iTunes』です。『iTunes11』ではCover Flow表示が消え、こちらも『iOS7』のようなタイル表示になってしまいました。

意外と知らない人も多いのですが、OS Xやその他のApple製品のデザインは『iTunes』のデザインがベースになっています。2006年にリリースされた『iTunes7』にCover Flowが採用されたとき、2007年にリリースされた
『Mac OS X 10.5 Leopard』の『Finder』にCover Flowが採用されました。2010年の『iTunes10』では、サイドバーのアイコンがモノクロになりましたが、同年にリリースされた『OS X Lion』の『Finder』も、アイコンがモノクロになりました。

『iTunes』からCover Flowが廃止された理由について、Appleは「Cover Flowを役に立つと思うユーザがあまりにも少ないから」と述べています。

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また、フラットデザインを全面的に詰め込んだ『iOS7』からCover Flowが廃止されているということは、“Cover Flowはフラットデザインでは決してない”ということを意味しています。『iOS4』から採用された布テクスチャデザインは、OSXの『Lion』、『Mountain Lion』にも採用されていますが、次期OSXである『Mavericks』では取っ払われています。

『iOS』のフラットデザイン採用に伴い、AppleはOS Xにもフラットデザインを採用していくつもりでしょう。そう考えると、近いうちにOS XからもCover Flowが消えるのは容易に想像できます。

ジャガアポー
パイナポー

『Finder』でもCover Flowはあまり使われていない?

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僕はCover Flowが大好きなので、『Finder』ではいつもCover Flowで表示させています。しかし僕の周りのMacユーザのほとんどの人は、Cover Flowを使っていません。

『Finder』には階層リスト表示機能があり、この機能の便利さが大きな理由の1つになっているのかもしれません。
アイコン表示や単なるリスト表示、Cover Flow表示は、現在のディレクトリ内のファイルしか表示しないため、親ディレクトリや子ディレクトリの中身を同時に確認することができません。また、現在いるディレクトリがどこなのか分かりづらく、いくつかのディレクトリをまたいだファイルの移動はできません。

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階層リスト表示ではこれらの問題を簡単に解決できます。今までたどってきたディレクトリの中身をすべて表示することができますし、ディレクトリをまたいだファイル操作も可能です。

Cover Flowは素早くファイル内容を確認できるのが特徴となっていますが、簡単にファイルをプレビューできる『QuickLook』が用意されていることから、あまりその意味を成していない気もします。

こういった理由もあってか、僕の周りだけでなく、インターネット上でもCover Flowを使うユーザは少ないようです。

『iTunes11』からCover Flowが廃止された理由が“あまり使われていない”のであれば、『Finder』からCover Flowが廃止される理由は十分にあります。

目的の画像を素早く見つけるのはCover Flowが最強

というわけでCover Flowが廃止される可能性は大いにあるわけですが、『Finder』でCover Flowを必要とする人は少なくはないでしょう。

趣味レベルではあるものの、僕はカメラ撮影をよくします。撮影旅行ならまだしも、製品のレビュー記事となると、だいたい1つの製品につき200〜300枚ほど写真を撮影します。その中から記事に使用する写真を選定するわけですが、選定にあたっては写真をパラパラと見られる表示形式が望ましいわけです。そんなときにCover Flowが役立ちます。

同じように“画像を素早く見つける”といった目的で、Cover Flowを使っている人も多いのではないでしょうか。

Appleが今まで通り『iTunes』をデザインベースとし、また製品間でのデザインの統一性を考えているのであればCover Flow廃止は確実とも言えますが、先日執筆した『iOS7』とOS Xとの統一性のなさを考慮すると、OS XだけCover Flowが搭載され続ける可能性も否定できません

Apple製品の統一性が好きで、またCover Flowも好きな僕としては非常に複雑な気持ちですが、Cover Flowは残してほしいところです。

あとがき
パイナポー
ジャガアポー
シナモン
パイナポー
ジャガアポー
パイナポー
ジャガアポー
シナモン
パイナポー
シナモン
ジャガアポー
パイナポー
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コメント
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ゲゲゲのゲスト

ていうか、カバーフローってリソースを食い過ぎるからね
それが本当の理由でしょ
フラットデザインにしたってそう

ジャガアポー

 ハードウェアを販売するAppleにとって、より高性能な機器を搭載した最新機種をかわせるために、リソース消費軽減を最優先させるとは思えないというのが僕の考えです。
現にフラットデザインを採用した『iOS7』では明らかに『iOS6』よりももたつきを感じます(『iPhone4S』で確認)

パタ

iTunesがベースだなんて初めて知りました!

ジャガアポー

 意外に知らない人も多いですよね!

Malus

僕も次のiPhoneの大幅アップデートを期待して5sは買いません!
でも正直5sのコプロはうらやましい…

ジャガアポー

 『iPhone6』ではどうなるか…楽しみですね(笑

ゲゲゲのゲスト

私は指紋認証が劇的な進化だと思うのですがどうでしょう。完璧なセキュリティではないでしょうが、四桁パスコードよりははるかに安全で、かつ速攻でロック解除できるのは、一度使ったら戻れない利便性があるように思えます。僕は4Sユーザーなので5Sは迷わず買う予定です。後は銀にするか金にするか。。妻が白iPhone5なので、金か…うーむ

ジャガアポー

 Samsungの『Galaxy S』シリーズでは、すでに虹彩認証が搭載されているため、生体認証の点でいえば目新しい機能とは言えません。
が、虹彩認証よりも指紋認証の方が様々なメリットがあり、Appleもそれを考えて指紋認証を採用したのだと思います。
 『iPhone4S』からの買い換えだと、すごい満足度は高まりそうですね〜!画面が大きくなるわ速度速いわ指紋認証あるわで…。
うらやましいです!

キツネロイド

僕は従来のリアルチックなスキューモーフィズムデザインはあまり好きではないです。
以前のiPhoneのようなツヤツヤテカテカしたiPhoneには似合ってますが、現行のシンプルなデザインとは合わない気がするので…

例えば、OSXのアクアインターフェイスのような思い切ったデザインを採用できるのもハードウェアとソフトウェアの両方をてがけるアップルならではのことではないでしょうか?

アイブ氏が繰り返し用いている「ハードウェアとソフトウェアのハーモニアスな関係」を生み出すために、ハードのデザインにあわせてUIも変えているのではないでしょうか???

長文失礼しましたm(__)m

ジャガアポー

 僕個人の感想ですが、現行の『iPhone5s』のデザインと『iOS7』はあまりピンとこないかななんて思っています。逆に“ギャップ萌え”的なところも良いとは思う反面もあります(汗
 一番マッチしているのは、アイブ氏がハードも担当した『iPhone5c』でしょうかね〜。
『iOS7』と『iPhone5c』はとてもマッチするデザインなのですが、『iPhone5c』に高級感があるのかというと、そういうわけでもなく…。

 高級感あるハードウェアとフラットデザインの両方を取り入れた製品を作るのは大変そうです。

キツネロイド

あ、確かにおっしゃる通りiOS7とiPhone5sの関係って微妙ですよね...

スキューモフィックデザインについてこの前はああいう書き込みをしましたが、初代iMacでTigerをブートしてる動画をYouTubeでみて考えが変わりました(汗

やっぱり管理人さんも記事中で何度もおっしゃっているようにハードとソフトの一貫性って大切ですね。

カシウス

Macでもフラットデザインが主流になっていくんでしょうかね。
ただM$のmetroよりAppleのデザインに期待ですな。

ちなみに私はiPhone5cのホワイトを選びます。

ジャガアポー

 AppleもMicrosoftも、どちらも一長一短のフラットデザイン、って感じがしますね〜。
ただMacにフラットデザインを採用するのはちょっと…。

詩音

何だかイキナリiMacの新型が発表されましたが
残念ながら解像度は変わっていないみたいでショボーンって感じです。
私は10月中旬に新型発表会があると睨んでいるのですが、どうでしょうね

ジャガアポー

 ただ単にスペックアップしただけのモデルでしたね〜、特に公式サイトの画像の変更も無いようですし…。
ただグラフィックを扱う僕にとって、700番台のGPUがどれほど高性能なのかは気になるところ。
 10月には『iPad』や『MacPro』に関するイベントが行われると思います。『MacPro』はあまり興味ありませんが、『iPad』が楽しみです!

ゲゲゲのゲスト

itunesも廃止された時からアップグレードしてないわ

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