【マウスにこだわれ!】第二章 センサにこだわれ!様々な問題を知れ!

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【マウスにこだわれ!】第二章 センサにこだわれ!様々な問題を知れ!

マウス選びは、センサとその問題について知ってから購入しましょう。

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“マウスにこだわれ!”シリーズについて

“マウスにこだわれ!”シリーズは、パソコンの周辺機器の1つであるマウスの性能や用語について詳しく解説する連載形式の記事です。マウスの中でも高価な“ゲーミングマウス”のカタログには、一般大衆向けのマウスに比べて細かく性能が明記されています。このシリーズを通してマウスの基本知識を習得し、その知識をマウス選びの際に活用させてみましょう。

1. センサの種類

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マウスを動かすと、画面上のマウスカーソル(ポインタ)が動きます。これらが動く原理として“センサ”という装置がマウスの裏に取り付けられています。マウスを動かすとセンサが反応し、センサが反応することによってマウスカーソルが動くようになっています。そのセンサにもいくつか種類があり、基本的に“ボール”、“光学”、“レーザ”の3つに分けられます。

“ボール”式のセンサは、今はもうほとんど使われていないのが現状です。その名の通り、球体がマウス裏面に取り付けられており、ボールが回転することによって“ロータリーエンコーダ”という先端に歯車のような物が付いている筒状の装置も回転し、その装置が回転したかで動きを読み取る方式です。ボールの回転によって読み取るため、凸凹した環境やボールにゴミが付いている状態では上手く操作できず、操作性や性能的に劣っているため、今では使われていません

“光学”式のセンサは、現在最も普及している方式です。こちらもその名の通り、光で動作を読み取ります。光で読み取るため、従来のボール式の欠点であった操作性や、正確性が格段に向上しています。マウスにもよりますが、一般的に光学式のマウスは、裏面部分に赤色のLEDが見えるはずです。光学センサの種類はいくつかあり、1秒間に数千回という凄まじい早さで照射しその反射光を受光器が読み取るものや、CMOSカメラで連写した画像を処理して動きを読み取るものもあります。基本的に“机上の模様の変化で判別する”といった形になります。

光学式は、総合的に見て最も高性能であると言われています。ただし、模様を読み取ると行った方式上、欠点として“ガラス”や“模様のない素材”は反応しなかったり反応しにくいというものになっています。

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“レーザ”式のセンサは、ゲーミングマウスで広く採用されているセンサ方式です。基本的には光学式と原理は同じですが、光源にレーザを使うことによってより細かい模様や凸凹を識別することが可能になりました。これによって従来の光学式では苦手であった“模様のない素材”にも強くなりました。

レーザ式は、光学式の後継方式で高性能と言われています。ただし、光学式の欠点であった“ガラス”などの透明な素材は従来通り反応しないようになっています。

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2. センサそれぞれの長所・短所

上記のようにある程度簡単に、それぞれのセンサについて説明しましたが、いまいち理解できない方もいるかと思います。そこで、以下のような比較表を作ってみました。

項目 1位 2位 3位
操作性 レーザ・光学 ボール
トラッキング能力 レーザ・光学 ボール
重量 ボール レーザ・光学
環境依存 ボール 光学 レーザ
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3. 新規格『BlueTrack』とは?

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Microsoftは『BlueTrack』という新しい方式のセンサを開発しました。これを簡単に説明しますと、レーザ式の良いところを取り入れた光学式のセンサ方式となります。『BlueTrack』は光学式の一種として分類されていますが、光学式で苦手であった“模様のない素材”でもしっかりと認識できるようになっています。

当然ながらMicrosoftの独自規格のため、同社製品のマウスにしか搭載されていません。

4. リフトオフ・ディスタンス

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ボール式はボールが回転した時点でマウスが動きを処理しますが、光学式やレーザ式といったものは物理的に触れることなく動きを処理してくれます。

そのため両者の問題点として、マウスを上げても動きを処理する距離“リフトオフ・ディスタンス”というものがあります。光学やレーザ式のマウスを使っている方はお分かりかと思いますが、マウスを左右に動かしながら浮かせてみてください。机上から数ミリ浮いていてもマウスカーソルが動く距離があるかと思います。この限界距離を、“リフトオフ・ディスタンス”と言います。

リフトオフ・ディスタンスが長いと、「マウスを浮かした時カーソルも若干動いてしまう」「マウスをベストポジションに移動させる時カーソルが動いてしまう」などといった問題が挙げられます。つまり、リフトオフ・ディスタンスは短ければ短いほど良いです。

リフトオフ・ディスタンスとセンサの関係は以下のようになっています。

項目 長い(悪い) 普通 短い(良い)
リフトオフ・ディスタンス レーザ 光学式 ボール

5. 解像度(DPI、CPI)

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マウスには、マウス本体が1インチ移動した際にどれだけ移動情報が発生するかを表す“解像度”が存在し、単位は DPI(Dots Per Inch) もしくは CPI(Counts Per Inch) で表されるようになっています。1000dpi の解像度を持つマウスであれば、マウスを1000分の1インチ動かした際に、1カウントの移動情報が発生します。

つまり、高解像度のマウスの場合は少しマウスを動かすだけで移動情報が発生するのに対し、低解像度の場合は大きくマウスを動かさなければ移動情報が発生しないようになっています。

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6. センシティビティ

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“センシティビティ”とは、基本的にマウスカーソルの移動速度の値と考えて良いでしょう。マウスカーソルの移動量は、先ほどの解像度で発生した移動情報を一定の比率に従って、ピクセル数に換算することで決まります。その比率を決めるのがセンシティビティです。つまり、その比率は変えることができるというわけです。

例えば、この比率を「移動情報1カウントで10ピクセル動く」という設定にすると、マウスをどれだけ細かく動かしてもマウスカーソルは1ピクセル単位での移動はできません。逆にこの比率を「移動情報1カウントで1ピクセル動く」という設定にすると、1ピクセル単位でマウスカーソルを動かすことが可能になり、清らかな動きになります。

例えの前者のように、センシティビティを高く設定していることを“ハイセンシティビティ(ハイセンシ)”と言い、たった数センチ動かすだけでマウスカーソルが画面の端から端まで言ってしまうといったような動作が可能です。後者のように、センシティビティを低く設定していることを“ローセンシティビティ(ローセンシ)”と言い、30センチ動かしてもマウスカーソルが画面の半分くらいしか動かないといったような動作が可能です。

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7. 補正

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一部のセンサには、マウスカーソルの微妙なブレを補正して清らかな動きにしてくれる“補正”機能があります。画像のように、横一直線に線を引きたいのに曲がってしまう部分を、補正機能を使うと一直線に描くことができます。

ただし、この補正自体が操作に良い結果を招くのか悪い結果を招くのかは作業(ゲーム)次第です。なぜならば、細かい作業を行いたい際でも補正によって滑らかに修正されてしまうからです。

8. ネガティブアクセラレーション

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リフトオフ・ディスタンスの他にもマウスには問題がありまして、意図しないマウスカーソルの動作が発生する“ネガティブアクセラレーション(ネガティブアクセル)”という問題が存在します。例えば、マウスを高速に動かすとマウスを動かした逆方向にマウスカーソルが動いてしまったり、マウスを高速に動かすとマウスカーソルの動きが遅くなってしまう等の問題もこの中に含まれます。

原因は、マウスパッドとの相性やOS・ドライバ、センサなどいろいろ考えられます。またマウスとパソコン間のデータ緩和の可能性も高く、マウスの解像度が高ければ高いほどネガティブアクセラレーションが起きやすいとも考えられます。

最も効果のある解決方法としては、相性の良いマウスパッドを購入することでしょう。今後マウスパッドについても詳しく説明いたしますが、マウスパッドはマウスよりも重要なものだったりします。

9. ピクセルジャンプ

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先ほどのネガティブアクセラレーションの1つとして、マウスカーソルが飛んでしまう“ピクセルジャンプ(スキッピング、カーソル飛び)”という現象があります。画像のように、マウスを丁寧に、斜めに動かしていたのに、突然「ガクッ」と動いてしまうことです。

原因は、先ほどと同様にマウスパッドやセンサ自体等いろいろ考えられます。こちらも、最も効果のある解決方法として、相性の良いマウスパッドを購入することです。安価で作りが甘いマウスパッドの場合に起きやすい問題です。

10. 総合的に「光学」式の方が良い!

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レーザ式は光学式の後継として位置づけられていますが、総合的にはレーザ式よりも光学式の方が性能が良いという結果が出ています。光学式に比べ、レーザ式はネガティブアクセルが起きやすく、リフトオフ・ディスタンスが長くなっています。またレーザ式はマウスパッドとの相性が決まりにくく、相性が合うマウスパッドを使用していても上記の問題を完全には解決できないのが現状です。

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10. 最後に、センサの位置をこだわれ!

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前述の通り、センサはマウスの裏面についています。このセンサ、より指先に近い位置ほど良いとされています。

理由の1つとして、リフトオフ・ディスタンスの影響を受けにくいからです。基本的にマウスを持ち上げるとき、マウスの先端、つまり指先の部分から持ち上がります。そのため、リフトオフ・ディスタンスが指先の位置についていると、最も早くリフトオフ・ディスタンスの距離以上持ち上げられますから、影響を受けにくいのです。

あとがき
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記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
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